新婚さん、イラッシャ~イ!

戸手河川敷は年々人口が減少しています。それに反比例して空き家、借家が増加しています。過去のデータによりますと、200件400人と言われたこの街も、今では100件220人にまで減少しました。これは下流地域がスーパー堤防化され、多くの方々がこの街を去って行った事が主な原因です。しかし昨年の測量調査で分かった事ですが、人口が減少していくのは他にも深刻な原因があるようです。それは空き家、借家が目立ち、加えて高齢者が多いところから推測が可能です。要するにこういう事です。この街で生れ、成人した若者達は結婚と同時に土手から出て行きます。これは新婚夫婦が両親と一緒に住むスペースがないとも言えますが、それよりも「花嫁」を土手の中には迎えられないというのが本音のようです。したがって外にマンション等を購入し、そこで新婚生活を始めます。この段階で人が一人この街から減ります。数年後、新婚夫婦は年老いた両親を土手に残しておけなくなると一緒に住める新しい住まいを購入し、両親をそこに迎えます。ここで、更に二人の人がこの街から減ります。同時に空き家ができます。その空き家がまだ使える状態であれば、街の誰かがそれを購入し借家にして人を住まわせます。今、この街は加速度的にこのパターンが進行している状況にあります。このままでは、やがては借家だらけになり、人の出入りが今以上に烈しくなって土手に根を張って生きる人がいなくなってしまうでしょう。

ところが、ドッコイ!昨年暮、新婚さんが土手に住み始めました。彼はこの土手に生れ土手に育ち桜本の朝鮮学校に通った青年です。結婚するにあたって外にマンションを購入しました。しかし彼は自分の両親と兄弟をそこに送り、自分が土手に残るという道を選びました。泣かせるじゃありませんか!私はこういうのがメチャメチャ好きなんです。韓国朝鮮の風習で「チャンチ」というものがあります。これは宴会、披露宴という意味ですが、新婚夫婦が村人全員を招き祝宴を開きます。村人は入れ替わり立ち代わり新居に訪れ、酒を飲みご馳走を食べ新郎新婦を冷やかして帰って行きます。実は私もこれに招かれました。正直言いまして嬉しかった。何だかこの街の人になれたと言うか、認めてもらったと言うか、ジ~ンと来るものがありました。そこに行くと驚いた事に、本当に村人達が全てと言っていいくらい入れ替わり立ち代わりやってきました。治安君、聖子ちゃんもいました。「何で孫さんがいるの?」と不思議そうに私を見ていました。なごやかな時間を過ごしました。その様子は到底言葉では表現できません。「こんなに素晴らしい所は他にはない」と思いました。

ヨルダン寮のお隣の余さんも、結婚当初は外で暮らしていましたが、今は土手に帰ってきてアボジと一緒に暮らしています。その他にも斜め迎えの岩本さんの息子夫婦も最近、桜本から土手に帰ってきました。これはいったい何事か?若者が力を吹きかえすこの事態は。

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