墓標に刻まれた十字架

昨日、鎌倉霊園に於いて、神谷量平兄の納骨式が執り行われました。静子夫人をはじめ親族友人ら15名の参列の下、晴天にも恵まれた清々しい納骨式でした。

神谷家のお墓の前には、散り終わろうとする葉桜で覆われた見晴らしの良い場所でした。お墓を建てた当初、その場所は霊園の隅っこで親族からは不評だったとのことです。しかし神谷兄いわく「その内、ここが霊園の中心になるから・・・」と予言した通り、広大な霊園を360度見渡せる場所となりました。

お墓には神谷兄のご両親と叔母様の遺骨が既に安置されており、墓標には先祖(10名ほど)の戒名が刻まれていました。そしてその末尾に「神谷量平」の名前とその真上に十字架が刻まれていました。見る人によっては違和感を禁じ得ないかも知れませんが、参列した方々はその十字架を愛おしくご覧になられていました。先祖らの戒名と、十字架と共に刻まれた本名が、一つの墓標に書き綴られている、それはまるで神の国を表しているように見えました。

墓には宗教的色彩がありますが、神谷家のお墓は自由でした。99歳まで生涯劇作家として表現し続けられた神谷量平兄の最後の作品、それは墓石に刻まれた十字架であり、死して尚表現し続ける神谷量平兄でありました。

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