利用される願望

聖書の学びと祈りの会は、引き続きマカバイ記を学んでいます。(マカバイ記11:54-74)

パレスチナは古代から現代に至るまで戦争が絶えません。それはパレスチナがアフリカとヨーロッパをつなぐ要所であり、勢力が拡大していく時、パレスチナを避けては通れないのがその原因の一つだと言われています。日本が明国に、また元が日本に侵出する時に、朝鮮半島を通過しなければならなかった事情も同じでしょう。

エジプトはシリア・ギリシャへ、またシリア・ギリシャがエジプトに侵出するにはどうしてもパレスチナを取り込む必要があり、諸国はマカバイ一族を自らの陣営に取り込もうとしました。そして未だ情勢不安定なパレスチナを自ら手を汚さずマカバイ一族を利用して支配しようと目論みました。それはマカバイ一族のイスラエル王国再建という夢を巧みに利用したものでした。

これは、第一次世界大戦中、独立国家の樹立を切望するアラブ人とユダヤ人の夢を利用したのと同じです。更に教団の成立もこれに等しいものです。諸教派がひとつになりたいという願いを国家は利用して戦争協力させたました。

権力は人間の夢や願望を利用します。いや権力に限らず、人間関係のあらゆる和解と対立の背後には利害があり、人の夢や願望を巧みに利用します。

聖書が要求する和解は、自己実現のための手段ではなく目的であります。和解しなさいというのがキリスト教の至上命題であることを寝ても覚めて忘れる事のないように歩んで参りましょう。

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