出会いから始まる

出会いから始まる

孫裕久

先週の2月11日、横浜YMCA会員大会に参加しました。この大会は横浜YMCAでの活動の場・ボランティアとして参加できる機会等の紹介、そして世界に目を向け、国際、多文化共生、人権、平和などについて考える機会として毎年開催されています。

今回はその基調講演に高橋美香さんをお招きしました。高橋さんは主にパレスチナ問題に携わる写真でありフリージャーナリストで今回は主にヨルダン川西岸地区のパレスチナの現状を高橋さん自身が実際に出会った方々との関係を通じて現地で撮影した写真を交えながら紹介して頂きました。

ヨルダン川西岸地区にある東エルサレム(エルサレム旧市街地がある)はパレスチナ自治政府の首都ですが、現在イスラエルが実効支配しており、違法建築等こじつけの理由でパレスチナ人が日々退去させられています。今回はその東エルサレムから追い出された人々についてのお話でした。住む所を追われた人々、またイスラエル軍がパレスチナ人を締め出すために設けた壁の前でサイレンスデモをする人々、どのお話も高橋さんが出会い関係を育んだ人々の声で、身に詰まるものばかりでした。

私は人の話を30分以上集中して聞けません。しかし今回1時間15分の講演でしたが、時を忘れて聞き入りました。それはきっと具体的に人と出会い、その出会いから生まれた言葉であったからだと思います。私は戸手での歩みを振り返り、そういう言葉が本当に人の心に届き、人を動かして行くのだと改めて確認するような思いでした。

もちろん世界史的に政治的にパレスチナの問題を学び理解することは必要です。しかし結局はそこに生きている人なんだと思います。人に出会い、出会った生きた声に触れて人は真に「知る」に至り、新たな歩みへと招かれていくのでしょう。

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