東京オリンピックの仮設施設費用負担に関わる問題で、これまで都知事がキャッチフレーズにしてきた「都民ファースト」の内実が見え隠れしてきたように思います。
2012東京オリンピックの仮設施設費用負担を巡る問題で、都知事は「仮設の整備については、ほかの自治体が所有する施設を含め、都も負担することを排除せず検討する」との考えを表明しました。これに対して都民からは「都が負担するのであれば競技は全て都内で開催すべき」との声が上がっています。都民ファーストというのであれば当然の意見でしょう。「都民ファースト」とは即ち「アメリカ第一主義」と同じで自分たちの利益を第一とするものです。米大統領は避難されていますが、彼は選挙公約を粛々と履行しているに過ぎません。しかし自分たちの利益を第一とする考え方は、米大統領を見れば明らかなように共生とは真逆です。即ち共生とアメリカ第一主義が相容れないとの等しく、共生と都民ファーストも両立しないでしょう。米大統領はそれを自覚していますが都知事は如何でしょうか?
自分たちの利益を第一とする考え方は醜いようで、しかし人間誰もが保持している本音です。しかしそれが経済的に有利な立場にある国や自治体がそれを開き直って標榜することの意味を我々は問い直すべきです。
言われてみれば当たり前という本音の言葉に開き直りそこに胡座をかくことは強者の言い逃れであります。国民なり都民一人ひとりが保持する醜いけれども当たり前ともいえる自分の利益を第一とする心を刺激した米大統領と都知事の末路は如何に。それは彼と彼女を選んだ一人ひとりにかかっているのだと思います。即ち「都民ファースト」とは、こういう事だったのか、との人間の醜き部分と向き合いその自覚を迫れた時の決断にかかっているのです。