戦争を知らない子供たち

 インターネット上にあるファイル情報(写真など)を複数人で共有する事について今日「共有」という単語が定着している。

17日に発表された教育再生実行会議の中間報告(案)概要について、私なりの解釈では、人工知能などを用いた新しい社会は情報だけでなく物事の考え方や価値観までが共有され、その理解と能力を有する人材育成に主眼が置かれている。そしてその理解や能力を有する事で今後訪れる新たな社会(Society 5.0)に対応可能であり同時にそれは国家にとって操作管理しやすい人間に「人づくり」されてしまいそうな臭気が漂っている。

5/11、北方領土返還に関してある若手の国会議員が戦争による領土奪還に言及し波紋を呼んでいる。これは教育の問題であると私は思う。こういう発言を生む教育自体が問題なのに、冒頭の中間報告に「反戦・平和」の言葉は全く見当たらない。

『戦争を知らない子供たち』は1970年の万博で歌われたそうです。その作詞者は万博ステージのフィナーレで次のように語っている。

「それで、『戦争を知らない子供たち』っていうことは、僕ら、あの、おかげさまで、『戦争を知らない子供たち』という風にして自分たちを呼ぶことができます。でも、完全に『戦争を知らない』ってゆう風には言えない面もあります。よその国では『戦争を知ってる子供たち』もたくさんいます。願わくば、百年後、二百年後、僕たちの子供たちが、またその子供たちが、『戦争を知らない子供たち』だという風に、このタイトル、同じタイトルの下で、世界中のみんなが同じタイトルで同じような音楽祭を開けたら、すごい幸せだと思います。とってもいいことだと思います。僕ら、そ~ゆうことを願って、最後に、この曲を、もう一度歌ってお別れしたいと思います。それじゃ行こう!」(webサイト:TAP the POPより引用)

戦争による領土奪還発言は彼を議員辞職させて済むような質の問題ではない。そういう発想を持つような若者を生んでしまっている教育自体を見直していかねばならない。

先ず何よりも、この世界を「戦争を知らない子供たち」で満たす事を目指す教育再生に取り組むべきではないだろうか。

Society 5.0とは

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。(内閣府webサイトより)

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