報復しない

 第二次世界大戦中、軍需工場で労働を強制された韓国人の元徴用工らに対する賠償支払いを命じる韓国司法の判決に端を発し、日韓関係が泥沼状態になっています。日本政府はそれを否定していますが、明らかにその報復として輸出手続き簡略化の優遇措置を受けられる対象国から韓国を除外し、近々韓国もその報復措置を講じる構えです。血を流さない戦争は既に始まっています。

イエスは「誰かがあなたの右の頬を打つものには左の頬も向けなさい」(マタイ5.39)と命じています。これは報復(目には目を歯には歯を)からは何も生まれないからです。しかしだからといってヤラレっぱなしというのは如何なものでしょう。イエスはその先を考えていたのでしょうか?

報復の応酬は敵の行為にのみに集中し敵意を増幅させ、自らを振り返る機会を奪います。一方、報復しないことは何もせずヤラレっぱなしなのではなく、互いに自らを振り返るチャンスを作り、対話と和解の道を切り開く能動的な手段と言えます。ただこれが口でいうほど容易くはないのです。

この問題は両国政府間の問題ですが、双方共に国民感情というものを背負っており政権を維持するにはそれを無視することは出来ない事情があります。だとするならばこれは両国政府間だけの問題ではなく、やはり両国の国民一人ひとりの問題であり、故に解決の糸口はそこにあのではないでしょうか。政府間の対立から独立した民間交流、人間一人ひとりの報復しない交流こそが政府を動かし和解に導くのであり、主導権はやはり私たちの手中にあるのです。

イエスの報復を禁じる命令の先にあるもの、それは「敵を愛しなさい」です。愛するという最も難しく且つ最も強い業がもたらす希望を神は身を以て示して下った。

反戦平和を全国で訴える8月に入りました。折しも日韓間関係は最悪の状態にあります。しかしイエス・キリストの神より示された報復しない希望の道を歩んでまいりましょう。日韓の和解があることを信じて。

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