見返りを求めぬ神

マタイ福音書8:28-34

悪霊はイエスを見て戦わずして白旗を上げました。そしてイエスの許可を得て人から豚の群に移り、豚は崖から湖に落ちて水死しました。この出来事を知った人々はイエスを見ると、その地方から出ていってもらいたいと願ったのです。人々から見ればイエスはその地方に損害を与えたのです。しかし一方で人々は悪霊に苦しむ人が救われた事実を見落としています。
羊飼いが迷える1匹の羊を救うとき、99匹はその重荷を共有します。しかし私たち人間は一人の救いよりその他大勢の利益や損失を優先してしまいます。
イエスを十字架に架けたのはこの世の悪ではありません。主は悪に負ける方ではありません。主を十字架に架けたのは悪人ではなく、むしろ善人の沈黙と無関心な態度です。それらが今日もイエスを十字架に架けています。
今日、人間愛は成長し被差別に置かれた人々の人権が尊重されるようになってきました。それでも悪霊に苦しむ人のように無関心に取り残されている最後の者たちがいます。キリスト教会が世の終わりまで用いられるとするなら、それはその最後の者と共に歩むところにあります。そこに主イエスの真実があると信じて歩んでまいりましょう。

孫 裕久

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