聖霊の働き

マタイ12.22-32

イエス・キリストの神は赦しの神です。人が犯す罪や冒涜は、どんなものでも赦し、 人の子に逆らう者さえも赦されます。しかし、唯一聖霊を冒涜したり言い逆らう者だけは赦されません。(12.31-32)
イエス・キリストの赦しとは、いわゆる「裁いて育てるのではなく、赦して育てましょう」という類のものではありません。今、眼の前に、人に裁かれ隣人に該当しない者として除外された罪人が存在しています。その罪人を受け入れ友になるのが、イエス・キリストの赦しの内実です。即ち、人が裁き排除した罪人を、神が赦し受け入れていくのです。断たれた関係を和解へと導くことが赦しの本質であり聖霊の働きなのです。
神は人の罪をお赦しになります。しかし和解を阻んだり、その働きを非難することだけは赦されません。使徒たちに降臨した聖霊は、今や宗教の壁を越えて働いています。大切なのはキリスト教の拡大ではなく、聖霊の働きに連帯していくことです。
ベルゼブル論争においてイエスの論敵が聖霊の働きを誹謗したのは、彼らがイエスに敵意を抱いたからです。自らが信じる宗教の正しさの証明に熱心な者たち、また他者を裁くことで自分の義を立てることに埋没した者たちは聖霊の働きを見極めることが出来ません。誰が正しいかではなく、それが仲間であれ敵であれ、そこに働く聖霊の働きを見極めるキリスト者でありましょう。その秘訣は日々和解を目指すことです。悪魔は人間に敵意を抱かせる種を蒔き続けています。自己中心であって良いよと耳元で囁いています。これに抗い和解を目指して参りましょう。決して土俵を割ることなくイエス・キリストの神を信じて歩んで参りましょう。

孫 裕久

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