聖書が読みたい

「先生、聖書が読みたいんです。聖書を持ってきて下さいませんか?」
その一言を聞いた瞬間、様々な思いが脳裏を駆け巡りました。実は病院の面会で何を持参するか迷っておりました。花にするか菓子にするか。どちらでも無さそうに思い、取り敢えず会いに行くことが大事と自分を納得させたのですが、確かに聖書であったと自分の鈍感さを恥じました。
先週の金曜日、入院中の倉禎一兄を訪ねました。それはまるで復活のイエスにでも出会ったかのような喜びぶりで恐縮する程でした。倉兄は胃癌の手術後、戸塚病院へ転院されリハビリ中です。手術した病院では家族以外の面会は許されず、実に7週間ぶりの再会でした。とても元気なご様子で、私の手を力強く握りしめておられました。現在は、薫姉と共にご長女と同居するための住まいの準備中で、退院は来月初旬になる模様です。
全盲の倉兄にとって今一番喜ばれるものは何か?冒頭の声を聞いた瞬間、牧師がそれに気付けなかった羞恥の念と同時に、いちキリスト者が、乾いた喉が一杯の水を求めるがごとく聖書を求めるその真っ直ぐな信仰に尊敬の念を抱きました。
最後に祈りを捧げ、倉兄も祈られました。そのお声が病室を超えて廊下の向こうにあるナースステーションに届く程でした。
倉兄から教会の皆様へのメッセージ
「皆さん、私はこのとおり元気です。皆さんの日頃のお祈りのお陰と感謝しています。もし事情が適ったら、一度教会に伺いたいと思っています。また皆さんの温かいお声をかけて下さい。本当にありがとう御座いました。お祈りに感謝しています。」

孫 裕久

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