子どもの目

点字の聖書を見た子どもたちは目を丸くしていました。先週、YMCAかわさき保育園の礼拝で、盲人が癒やされた物語から、視覚障がい者である倉さんのお話をしました。
入院中の倉さんが「聖書を読みたいんです。聖書を持ってきて下さい」と懇願する様子をお話すると、子どもたちは「読めないよね」と素直な反応を返してくれました。そこで持参した点字の聖書を見せたのです。目の見えない倉さんは聖書を読めないよねと不思議がっていたところに、逆にどのように読むのか皆目検討のつかない点字の聖書を見せられ「何?」という様子でした。私にはその子どもたちの反応がとても印象的だったのです。
それは視覚障がい者が目で見る代わりに指で点字をなぞるのだと理解した様子ではなく、自分たちには読めないより高度で不思議な世界を紹介されているような様子でした。
盲人の物語と倉さんのお話から視覚障がい者の日常の困難さを感じ取った所に未知との遭遇ともいえる点字の聖書を前にして子どもたちは目を丸くしていたのです。
常日頃、視覚障がい者の人々は見えないが故に、見える人には見えない何かが見えているのだと思ってきましたが、同様に子どもは偏見が少ない分、大人には見えない何かが見え、また感じているのだと思った次第です。

孫 裕久

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