核兵器のない世界をめざして

核兵器禁止条約は核兵器を「非人道兵器」として、その開発、保有、使用あるいは使用の威嚇を含むあらゆる活動を例外なく禁止した国際条約で、2017年に国連の会議で採択され、2021年1月に発効し、これまで93の国と地域が署名し、このうち70の国と地域が批准しています。
日本は、「条約に核兵器を保有する国々が参加しておらず、日本だけが加わっても、核廃絶にはつながらない」と意味不明な理由で不参加ですが、核兵器開発の可能性を残しておきたいとの指摘も聞きます。
宗教は「信じる」という言葉をよく用いますが、何を如何に信じるのかは具体的な事柄に置いて考え実践することが大切です。イエスは「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」と教えました。これは非暴力運動によって継承されましたが、非暴力は打たれ続けるのではないかという不安と恐怖に抗いながら、打ち返さない先にあるものを信じるのです。
核兵器廃絶も同じことが言えます。第二次大戦後、核兵器を敵より一つでも多く保有することで安心を得その代償として泥沼の冷戦に突入しました。核兵器廃絶は、不安と恐怖に抗い、敵より一つでも多く核兵器を削減し続けていくしかないのです。その先にある核兵器のない世界の到来を信じて。

孫 裕久

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