空いた席

先週、教区の社会委員会が県民センターで開かれた。9階、10階は無料のフリースペースで、社会員会は毎月のように利用している
コロナ以前、このフロアはいつも満席だった。ボランティア団体の打ち合わせや学生サークルの勉強会、英会話の個人レッスンなど、それぞれの声が入り交じり、ほどよい賑わいがあった。しかし、コロナ禍で一時使用禁止となり、再開後も利用者はほとんど戻らなかった。感染防止のため、事前予約など利用条件が厳しくなったこともあるが、人々がZoom会議やオンライン活動に慣れてしまったことも大きいのだろう。今では、どの時間に行っても席は空いている。以前は「席が取れない」と困っていたのに、いざ空席ばかりになると、なぜかうれしくない。人がいない静けさの中で、空いた席が並ぶ様子を見ると、便利さと引き換えに失われたものを感じてしまう。
公共施設は、単に机や椅子を提供する場所ではない。そこに人が集い、声が交わされることで「場」が生きてくる。空いた席は、そのことを静かに語っているようだった。
最近になって、利用条件が緩和され、個人利用者向けのコーナーも新設された。デスクに照明がつき、仕切りのある小さな空間が並ぶ。少しずつだが、人の姿が戻ってきているのがうれしい。
人口減少が進む中で、空いた席はその象徴のようにも見える。このまま空席が残るのか、あるいは再び賑わいを取り戻すのか。少しずつ埋まりつつある席を眺めながら、人の集う場が再び息づくことを、静かに願った。

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