火災!再び

何ともし難い!本当に何ともし難い!3月19日(木)午後8時半。関田牧師宅での祈祷会の時の事。その日、祈祷会に参加していたのは関田牧師、大倉牧師と私の三人だけであった。祈りを終えた我々はテレビ(寅さんの特別番組)を見ながらしばしお茶の時を楽しんでいた。突然「ウゥー」という切れ目のない小さな音が聞えてきた。そう高校野球の試合終了を告げるような音である。30秒ほどその音がテレビの中から聞える音なのか、外からのものなのか聞き分ける事が出来なかった。私はそれを確認するために表に出た。どうやらその音は外部からのものであった。一瞬血の気が引いた。土手の方から煙が上がっていた。私は一目散に土手に向って走った。まさかとは思ったが不安が適中した。木下紙業から火の手が上がっていた。詳しい状況を確認する前に先ず関田牧師宅に戻った。ちょうど大倉牧師も関田牧師も表に出て来たところであった。私は「火事だ!木下!」それだけを告げた。関田牧師は119番通報のため自宅に戻り、私と大倉牧師は現場に急行した。

土手の上に駆け上がった。堤防沿いに並べてあるダンボールの堤防側の面と事務所の壁が燃えていた。消防車は未だ来ていない。この火を消すためには堤防側から放水しなければならないが地域の消火栓は中にある。取りあえず中からでも消火活動を始めなければならない。土手の中に戻って見るとちょうどホースの準備をしている所であった。その作業に当たっているのは地域の飯場に勤める労働者たちで木下の若い従業員たちは既に帰宅した後であった。

火は強風に煽られて飛び火し、あちらこちらでダンボールが燃え出した。要約ホースの準備が整って消火活動に入ったが慣れない作業とホースのトラブルに思うように作業が進まなかった。消火活動のかいなく火の手は広がる一方であった。ようやく消防車が到着したが街区から消火栓を引くのに時間が掛かった。圧縮されたダンボールに引火した火は簡単には消えず結局12時頃まで放水が続いた。

昨年10月13日の火災以来、消防車の音を聞くたびに祈る思いで窓を開ける日々を送ってきた。しかし遂に再び地域で火災が発生してしまった。不幸中の幸と言えば強い南風が火から民家を守った。もし逆風であったら想像すのも恐ろしい結末になっていたに違いない。緊張がさめぬ次の日の深夜、またもや火災が発生した。今度はダンプカーが沢山置いてある駐車場である。車3台が焼けた。調べの結果これは確実に放火であった。不安の日々が続く。考えたくもないような事ばかりを想像してしまう。心配なのは住民たちの動揺と近隣の人々の反応である。頭の中が混乱してどうして良いのか分からない。まさに強風と荒波で船が沈みそうである。

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