ヨルダン寮(5)

高齢者サロンとは河川敷内に暮らす高齢者を中心とした昼食会で毎週水曜日に開催されています(被災後休会中)。
戸手町内会では町内に暮らす高齢者のプログラムが模様されていましたが河川敷の高齢者はこれに参加していませんでした。河川敷の街は戸手町でありながら街区の戸手町内会には属していなかったのです。元々河川敷の街に番地は存在せず、戸手町は3丁目まででした。しかし戦後河川敷内に街が形成されてから戸手4丁目が創設されそこに河川敷の街は編入されました。
そのような経緯もあって、また不法占拠である事も加わり河川敷の街は戸手町でありながら戸手町内会とは距離を置くこととなったのです。
そこで戸手地域活動センターは河川敷内に高齢者の集えるプログラムとして高齢者サロン会を企画しました。しかし教会が単独でサロン会を立ち上げても人が集まる訳ではありません。そこで河川敷内で民生員を担当する高橋不二男さんの協力も得て2001年に高齢者の昼食会(高齢者サロン会)がスタートしたのです。
それまで立ち退き問題に関する住民集会等で、地域住民がヨルダン寮の敷居を跨ぐことはありましたが、日常的にしかも河川敷の地域住民が昼食を共にし、更にそこに奉仕するボランティアとの新たな出会いと豊かな関係を育む場所としてヨルダン寮は用いられて行ったのです。
さて出だし好調なサロン会でしたが、2005年に大規模な立ち退きが実施され地域住民の95%以上が河川敷の街を離れました。サロン会の参加者も全員立ち退きました。いよいよ参加者とボランティアとの信頼関係も深まってきた頃でした。そこでボランティアの間では例え一人でも参加者がいる限りサロン会を継続して行くことを確認したところ、不思議とその後参加者が増えました。河川敷を立ち退いた方は立ち退き先から続けて参加して下さいました。更にそれまで不参加だった方々が、地域の内外から毎週ヨルダン寮に訪れ昼食の一時を分かち合いました。立ち退きによって生じた距離や孤独等が更にヨルダン寮の必要を求めた結果であったと思います。

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