アドベントの灯り

以下は2002年12/1の一週一言です

地域の下流に、スクラップになった一台のワゴン車があります。実はその車、猫の住まいになっています。正確な数は分かりませんが、10匹位いるようです。噂によると、毎日その猫たちに餌をあげるために土手にやってくる人がいるとのこと。前々からお目にかかりたいと願っておりましたら、二週間ほど前に出会えました。きっかけはやはり、今注目の三匹でした。散歩中、噂の人から声を掛けられました。やはり小林さんと面識のある方でした。最初のうちは亡くなられた小林さんの思い出話をしておりましたが、次第にその方が毎日猫たちに餌をあげている噂の人である事が分かりました。確かにその日はじめて会った方でした。しかし、それからというもの、殆ど毎日のように出会います。恐らく、これまでもしょっちゅうすれ違っていたのだと思います。話した事もなく、面識もない人はすれ違っても影のような存在なのでしょう。しかし一度出会うと、その後はハッキリ見えるようになります。
同じような事がもう一件ありました。先週、二人の女子高生がベランダに上がり三匹と遊んでいました。今時の茶髪で顔面がピアスだらけの初めて会う少女たちでした。犬が可愛くてついついベランダに上がってしまったとのこと。帰って行く彼女たちに「また遊びにおいで」と声を掛けて別れました。それから言うもの、彼女たちともあちこちですれ違います。きっとこれまでもすれ違っていたのだと思います。
人間は、自分の関心以外はなかなか気付かないものだとつくづく感じました。意外と色々なものを見過ごしてしまっているようです。イエスが出会った罪人は誰からも相手をされない人たちであったかもしれません。すれ違ってもその存在に気づく事のない人たちであったと思います。しかし、イエスの関心はそのような人々へ注がれました。私には見過ごしているものが沢山あるような気がしました。アドベントのロウソクがひとつ灯されました。これからクリスマスまで毎週ひとつずつ灯りが増えていきます。今年の灯りは「見失っているものを見出しなさい、気付かないでいるものを気付いていきなさい」と、ひとつ、またひとつロウソクが灯火を増やしながら、そう語りかけて来るような気がします。今年のアドベントはそんな思いで過ごしてみましょう。

補足
3匹:ヨルダン寮の並びにお住まいだった小林さんが飼われていた
(ハル、チャコ、チャタ)
小林さんが亡くなられて3匹を孫牧師が引き継ぎました。

孫 裕久

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