つながりあって生きている

小学生時代に愛用した「ジャポニカ学習帳」が今も販売されていると知ったのは先週のことでした。2022年にお亡くなりになるまで、その表紙写真を40年以上ほぼひとりで担当されたのが、昆虫植物写真家の山口進さんでした
先週「つながりあって生きている!写真家・山口進さんのメッセージ」と題するNHKのドキュメント番組を観て、深い感銘を受けました。山口さんは、生き物が他の生物や環境との間に結ぶつながりに注目し、それを描くことに情熱を注いでおられました。特に注目していたのが昆虫と植物とのつながりです。
番組では、ランとハチ、アリとキノコなど「生きものどうしのつながり」と「共生」の姿が、山口さんの撮影した映像を通して紹介されました。そしてその映像に重ねた「共生する生物を見ていると、生き物は単独では生きられないという真実を明確に知ることができる」という山口さんの言葉が、視聴者を自然の環(わ)の中に誘います。
番組の最後は、山口さんの次の言葉で結ばれていました。「自然を見れば見るほど、生きものたちは、みんな協力しあっていることが分かってくる。この関係はもろい地球を守る強い手だ。人間も手をつないでいる一員であることを忘れてはいけない。」
この言葉は、人間の傲慢と驕り高ぶりを戒めています。私たちは大量生産と大量消費を続け、便利さの名のもとに自然を資源として使い捨て、二酸化炭素を排出しつづけています。水も空気も大地も汚しながら、それでもなお自分たちが優れていると錯覚しているのではないでしょうか。戦争もまた、その根に同じ人間の傲慢があります。自分の国だけの利益を追い、他者の犠牲を顧みない姿勢は、自然破壊にも戦争にも共通しています。
反戦平和を祈るこの8月。私たちはしばしば戦争や貧困といった人間社会の出来事にばかり目を奪われます。しかし、山口さんの残された映像と言葉に触れるとき、平和をつくるとは人間同士の争いを避けることだけでなく、自然の中で他のいのちと共に生きる自覚を取り戻すことでもあると気づかされました。

虫たちの
むすぶ自然の
環(わ)の中に
共に生きゆく
われも虫なり

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