選挙結果

選挙は、その社会が何を優先しているかを、静かに映し出します。今回の選挙で、有権者の最大の関心は物価高対策でした。
政治家たちは消費税の減税や廃止を唱える一方で、一部政党が訴える非正規雇用者の問題は、主要な争点にはなりませんでした。雇用が不安定で、賃金が低く、制度の支えも十分ではない人々の問題は、富の再分配や福祉の議論と結びついています。故に正規社員等、比較的安定した立場にある多数の有権者にとって、その優先順位は低く設定されます。その結果、政治家にとって非正規雇用の問題を前面に出しては選挙に勝てない、という判断が働きます。
民主主義において、選挙結果は有権者の答えです。多数の人にとって「おいしい話」を語らなければ選挙に勝てない。それが民主主義の現実だとしたら、私たちは何を問われているのでしょうか。
おそらくイエスは、選挙結果に一喜一憂する方ではないでしょう。しかし、その関心は、常に置き去りになった一人ひとりに向けられています。
いつの時代にも、社会の周縁に追いやられ、切り捨てられる人々がいます。時に、少数者は利用されることさえあります。
キリスト教会は、反戦平和を訴え続けてきました。そしてそれと同時に、声を持ちにくい人々の側に立ち、寄り添い続けてきました。しかし、案外、キリスト者の中には、個人として自民党に投票した人は少なくなかったと思います。
誰の豊かさが語られているのか。誰の生活が、最初から議論の外に置かれているのか。その問いを、私たちはどこまで自分自身の問いとして引き受けているでしょうか。そんな問いが、心に残る選挙結果でした。

押し流す
世の波の中
主の愛に
結ばれ立てり
小さき者と

孫 裕久

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