力と真実

ルツは、顔を地につけ、ひれ伏して言った。「よそ者のわたしにこれほど目をかけてくださるとは。厚意を示してくださるのは、なぜですか。」

ボアズは答えた。「主人が亡くなった後も、しゅうとめに尽くしたこと、両親と生まれ故郷を捨てて、全く見も知らぬ国に来たことなど、何もかも伝え聞いていました。

どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように。

ルツの問いに対するボアズの答え。それはルツがエリメレクの親戚筋(血縁)だからではく、ルツの真実に報いたというものでした。夫を亡くし、しかもモアブ人であるルツがナオミ(しゅうとめ)に尽くして何の得もありません。それどころか故郷を捨て異国まで着いてきました。しかしそれ故にルツのナオミに示した行いは真実なのです。真実とは自らを捧げ、且つそこに己の利を得ぬ業です(神が人の為に自らを捧げる、これに勝る真実はない)。

ボアズの名は「力ある(ボオス)」に由来し、事実ボアズは資産のある有力な人でした。この世で、力を制しそれを動かすもの、それはより大きな力です。少数に勝る多数であります。しかし聖書の神は、小さなたった一つの真実こそが力や数に勝ると主張します。即ち人を動かすのは力(権力・多数)にあらず、それは徹頭徹尾真実を生きた足跡に他ならない。この世的には愚かな方法論ですが、聖書は確かにそう申しております。

真実に、また真実を見落とさずに歩んで参りましょう。

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