闇を知る

アドベントに入りました。アドベントはラテン語の「到来」(Adventus)に由来し「キリストの到来」を意味します。教会の暦はアドベントから始まります。即ち今日が一年の始まりです。冬至に向かって一年の内で最も夜が長くなるこの時、即ち闇が深まるこの時から教会の一年は始まります。それにしても闇から始まるというのは如何なものか?どうせならばクリスマスから始まってもよさそうなものですが・・・。

「光は闇の中で輝いている」(ヨハネ福音書1.5)。光は闇の中でこそ光り輝くものです。しかしこれは光が光である為に闇を必要とするという意味ではありません。光は常に闇の内に働いているという意味です。即ち、我々が光の存在を確認する時、そこは暗闇である事の認識(前提)が欠如してはならないと言うことです。暗闇が必要なのではありません。問題は闇に埋没するものは闇を自覚しないのです。故に闇を自覚しないものはそこに輝く光の意味も理解できません。

隣国の韓国で、アメリカで、そしてこの日本でも暗いニュースが続いています。闇が深淵の面を覆っています(創世記1.1)。その闇の自覚なしに光は意味を持ちえず働きもしないのです。光を待ち望むならば、先ず持って闇を知る。闇を知らないもの、そこが闇であることを自覚し得ないものは光を理解出来ません。

故に暦は闇から始まるのです。アドベントは我々に先ず「闇を知れ、自覚しろ」と呼び掛けています。今我々を覆う闇を知ってこそ(自覚してこそ)、光の到来(クリスマス)を心底待ち望むことが出来るのです。

アドベントに入りました。光の到来に備え、闇と向き合いましょう。ここから私たちの一年が始まります。

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