コモの死

アボジ(父)は7人兄弟で、その内ひとりは死産でした。残された兄弟は3男3女、最後の一人となったコモ(叔母)が亡くなりました。享年85。先週の月曜日に葬儀が執り行われ、従姉妹とは約50年ぶりの再会でした。
小学生の頃、私は同級生でつくった野球チームに参加していました。ただユニホームを買ってもらえず私ひとり体操服でした。親に物をねだることを知らない代償として我慢だけは人一倍会得しました
そんなある日、コモが私の事情を知りユニホームをプレゼントしてくれたのです。コモと一緒にスポーツ店に行った時のことを今でもよく憶えています。私は嬉しくて練習でもないのに自宅でユニホームを着ては鏡に写る自分を見て喜んでいました。
近年、コモはアボジの記念式に顔を出して下さり年に一度は顔を合わせいました。コモはカラオケが好きでした。墓前礼拝の帰り道、その日もカラオケに行くのを楽しみにしていましたが、長男の都合で行けなくなり本当にガッカリしていました。その様子が私の知るコモの最後でした。
アボジの兄弟で最も長生きしたのがコモでした。生前、アボジは弟妹たちと仲が悪く喧嘩が絶えませんでした。コモが亡くなり祖父母を含めて全員天国に揃ったわけですが、仲良く過ごしていることを祈りつつ、自分たち兄弟も仲良くしていかねばと思いながら帰路につきました。

孫 裕久

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