失言

【失言】言ってはいけないことを、不注意で言ってしまうこと。言いあやまり。過言。(広辞苑より)

政治家の失言が後を絶ちませんが、彼らの失言の何が問題なのか、その点がやや不明瞭な気がします。
「それで何人死んだんだ」「大震災が東北で良かった」等を例にあげますとそこに沖縄や被災地に対する彼らの本音が露呈しています。この本音とは「本音と建前」の本音を指しており、公に指示されようとする建前から見てこの本音は嘘を含んでいます。したがって本音が露呈するとは嘘がばれる事を意味します。しかし心に隠された本音は誰にも裁けません。仲間同士に明かしてもそれは問題になりません。しかしそれが公の場や特定の人の面前で不注意に発せられた時、それは失言となり誰かを傷つけます。
失言によって裁かれるべきは本音自体ではなく、相応しくない場で不注意にもその本音が露呈したことによって他者を傷つけた事だと思います。よって失言によって露呈した本音を袋叩きにするのは政治的であり、民衆の憂さ晴らしのように私には思えます。その恥ずべき本音と向き合うべきは本人の問題なのです。
しかし失言し裁きの座に置かれた者は、傷つけた人に対する謝罪よりも明るみに出た本音を誤魔化すことに専念し「誤解を与える表現」という定型句で本音を否定します。そして傷つけた人への謝罪は「本意ではなく、もし傷ついたならごめんなさい」と他人事となり、一方党には迷惑をかけましたと、こちらはマジに謝罪しその責任を負って辞職します。ここに近年後を絶たない政治家の失言に腹立たしい思いがするのです。

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