大切なもの

使徒言行録 2:43-47

信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った。(2:45,46)

おのおのに大切なものがある。聖霊降臨によってその大切な何かに大きな変化が生じた。それはすべての物を共有にする大切さを得たということか?私は違うように思う。信徒たちは財産を備蓄する事をさ程大切に思わなくなったのだ。その結果、私物を共有物とする自由を得たのである。

若干飛躍するが私にとって出自を隠すことは大切であった。しかし神学校入学と同時にそれは大切でなくなった。最早隠す必要を失い、自由を得たそれは重箱から出て人前に姿を顕し用いるようになった

聖書は共に生きることを教えている。しかしこれを律法にしてはならない。あくまでもキリスト者の自由が共生を生み出していくのである。

ペテロはイエス・キリストによる罪の赦しを説き、病めるもの貧しいものに奉仕した。これに接したユダヤ人らの大切な何かに変化が生じた。彼らは最早自分を正当化することに一生懸命になる必要を‘失った。自分を偉く見せる必要もなく善人ぶる必要もない。故に他人を裁く必要もなくなった。

聖霊降臨がもたらした大切なものそれは自由ではないだろうか。その自由が律法による義のために備蓄していた全ての所有権を放棄させたのである。その結果、信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合ったのである。

孫 裕久

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