受け継ぐ主体

先週の、23日午後10時1分、神谷量平兄が天に召されました。享年99でした。

神谷兄は1914年9月14日、東京府下荏原郡北品川にお生まれになりました。1936年、関東学院高等商業部を卒業後、森永、東芝、私立高校教員などを経て、1947年に新協劇団経営部に就職し、劇作を始められました。また学生キリスト教運動(SCM)にも携わり、最後まで京浜文学会の代表・劇作家として現役を貫かれました。

何度か信徒説教のご奉仕も頂きましたが、その視座は平等で公正な社会を目指す社会主義的なものでありました。

昨年の荒井俊次牧師に続き、戦前の世代が次々と亡くなっていく中、残された戦後世代として焦りを覚える今日このごろです。

特定秘密保護法案と、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の変更等、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義という日本国憲法の原則をくつがえすような施策が次々と打ち出されています。

今、キリスト教会はナチスに抗したマルン・ニーメラー牧師の言葉『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』に真摯に耳を傾け、再び「その時は既に遅かった」と繰り返すことのなきよう、見張りの使命を果たす「時」ではないでしょうか。

24日、ご自宅で納棺式を終えた神谷兄のお顔を眺めながら、安らかな永眠を祈りながらも、戦争の悲惨を伝える当事者らを失っていく不安に覆われていました。しかし、最早若者に過ぎないと言っている場合ではなく、戦前を生きた命が残した遺産を受け継ぐ主体である自覚を強く持って歩んで参りたいと思います。

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