平和の花を咲かせよう

昨日(2/11)、年に一度の横浜YMCAの会員大会が、「平和の花を咲かせよう」をテーマに湘南とつかYMCAにおいて開催されました。

基調講演では12歳の時に祖国ベトナムを追われ、難民として家族と来日した、Truong Thi Thuy Trang(チュン・ティ・トゥイ・チャン)さんのお話しを伺い、大変心を打たれました。

祖国を捨てる事の悲しみ、真に命がけの脱出、海上における海賊・台風・飢え・気温との戦い。オランダ船に助けられ難民として長崎に到着、新潟難民キャプでの生活。文化の違いよる誤解と戸惑いを抱えた日本での生活。時に言葉を詰まらせ目に涙を浮かべながらの講演から難民の厳しい現実の一端を垣間見ることが出来ました。最早「命がけ」という言葉を、そう容易く用いていはならないと自戒しました。

チャンさんは現在、行政機関の外国人相談窓口、教育機関、医療機関などの相談通訳を務める傍ら、神奈川県内のベトナムの子どもがいる保育園、小中高等学校などで国際理解教育講演会の講師として ベトナム人のこと、難民のことを理解してもらうためにベトナムの文化紹介、人権、平和と自由をテーマに各地で巡回講演をしています。

祖国ベトナムを脱出する時、チャンさんのお父さんが「お前に見せて上げたいものがある」と約束してくれたもの、それは私たちが普段当たり前に見ている光景でした。それは公園に咲く花々でした。チャンさんは講演の冒頭で会衆に「好きな花は何ですか?」と問いました。そして私の好きな花は最後にお教えしますと言ったその花は「花束」でした。多種多様の花が寄り添っている花束。そこにチャンさんは文化の異なる日本で、異なるが故に拒否されながらも、豊かさをもたらす自らの経験と、日本で最初に見た公園の花々が「私の好きな花は花束です」と言わしめているのでしょう。

現在、深刻な課題を抱える難民問題ではありますが、何となく対岸の出来事のように捉えていました。しかし身近に難民が無国籍状態で日本に在留している現実に触れ、今少し自分の問題として考えていく良いきっかけを与えられた昨日でした。

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