ルツ記によれば『士師記』の時代、ユダのベツレヘム出身者であるエリメレクは、妻であるナオミと二人の息子を伴ってモアブの地に移り住みました。二人の息子はその地の女と結婚しますが、やがてエリメレクと二人の息子は死に、ナオミと息子たちの妻オルパとルツの女三人だけが残されます。
ナオミは夫の故郷ユダのベツレヘムに帰ることを決意し、オルバとルツに別れを告げます。しかし、ルツはナオミにすがりついて離れませんでした。
ルツは言った。
「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないで下さい。
わたしは、あなたの行かれる所に行き
お泊りになる所に泊まります。
あなたの民はわたしの民
あなたの神はわたしの神」(1.16)
ルツ記の枠組みを構成するポイントは、ルツはユダヤ人から見て異邦人であること。そしてそのルツがダビデの先祖となることです。ここにはエズラ・ネヘミヤによる雑婚禁止等、過度な民族主義に対する批判が込められています。約束は血統が受け継ぐものではなく、信仰によって受け継がれていくという思想が旧約聖書の中に既に存在しています。
今、寡婦となった二人の女が、絶望的状況の中でベツレヘムをめざします。しかし物語は彼女らの悲惨な空虚さを紹介するのではなく、絶望的状況の中で既に始まっている神の顧みを伝えて行きます。
月例聖書を学ぶ会はエレミヤ書を終えて今月からルツ記の学びに入りました。ルツ記は旧約聖書の中で最も短い文書ですが、少し丁寧に見て参りたいと思います。
月例聖書を学ぶ会は、第三木曜日です。